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省エネ計算お役立ちコラム
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2022
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省エネ計算とは

省エネ計算とは建築物の省エネルギー性能を計るための計算のことです。
2015年7月に交付された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」内で取り決められている省エネ基準を満たしているかを確かめる際に使用します。

2つの省エネ基準

建築物省エネ法では、省エネの基準として大きく2つの項目が設定されており、省エネ計算はそれぞれについて定められた計算方法によって、その建築物が省エネ基準をどれくらい満たしているのかを算出します。
その2つの基準とは「外皮性能」と「一次エネルギー消費量」です。
「外皮性能」とは、住宅の窓や外壁が「中の熱をどれだけ逃がさないか」「外からの日射及び日射による熱をどれだけ抑えられるか」を表す基準のことで、建築物の断熱性能を評価します。
一方、「一次エネルギー消費量」とは省エネ・創エネの観点から基準以上の住宅設備が備わっているかを示す基準のことで、家電を除く建築物の設備機器のエネルギー消費効率を評価します。

建築物省エネ法により発生する義務について

設計者は、前述した2つの省エネ基準を満たすような設計・計画を作成することが法律上義務付けられています。
特に2021年4月に建築物省エネ法が改正され、建築物の規模や、住宅か非住宅かによって適用される義務の区分に一部変更があったので注意が必要です。
それぞれの義務がどのようなものなのか、建築物によってどの義務が対象となるのかは次の通りです。

〈適合義務〉
建築物省エネ法で定められた省エネ基準を満たし、所管行政庁または登録省エネ判定機関より省エネ適合性判定(省エネ適判)を受ける必要があります。省エネ適判を受けなければ、建築確認がおりません。

〈届出義務〉
省エネ計算の結果を所管行政庁に提出する必要があります。省エネ基準を満たしておらず、所管行政庁が省エネ基準への適合を必要と判断した場合は、所管行政庁より指示が下ります。

〈説明義務〉
設計者から建築主へ、設計する建築物の省エネ基準への適否や、適合しない場合は省エネ性能確保のための措置について説明を行う必要があります。

<改正後の対応表>

     
改正後 非住宅 住宅
大規模(2000㎡〜) 適合義務 届出義務
中規模(300㎡〜2000㎡)
小規模(〜300㎡) 説明義務 説明義務

省エネ計算方法

外皮性能と一次エネルギー消費量の計算方法について解説します。
前項で解説した各種義務ごとに、適用される基準が異なりますので、下記にまとめます。

     
各種義務 対象用途 適用基準
適合義務 非住宅 一次エネルギー消費量基準
届出義務 住宅及び非住宅 外皮(住宅部分のみ)及び
一次エネルギー消費量基準
説明義務 住宅及び非住宅 外皮(住宅部分のみ)及び
一次エネルギー消費量基準

外皮性能の計算方法

外皮性能の基準・計算方法は、住宅か非住宅かによって異なります。それぞれの基準や計算方法は次の通りです。

〈住宅の場合〉

住宅の場合、外皮平均熱貫流率(UA値)と冷房機の平均日射熱取得率(ηAC値)の2つが基準値(地域ごとに定められている)を下回る必要があります。東京の住宅の場合だと「UA ≦ 0.87」「ηAC ≦ 2.8」が必要条件となります。
UA値とηAC値の計算式は次の通りです。

UA = 外皮総熱損失量 ÷ 外皮総面積
ηAC = 総日射熱取得失量 ÷ 外皮総面積 × 100

〈非住宅の場合〉※非住宅の場合、外皮性能は義務基準の対象にはなりません
非住宅の場合、外皮性能の評価にはペリメータゾーンの年間熱負荷係数(PAL*)が用いられ、基準値は建築物の用途や地域によって異なります。
PAL*の計算方法は次の通りです。
PAL*=ペリメータゾーンの年間熱負荷係数
PAL* = 各階のペリメータゾーンの年間熱負荷(MJ/年) ÷ ペリメータゾーンの床面積の合計(m2)

一次エネルギー消費量計算方法

一次エネルギー消費量の基準を満たすには、「計画している建築物の設計上の設備仕様における一次エネルギー消費量」が「標準的な設備仕様における一次エネルギー消費量」よりも同等か小さくなる必要があります。
計算方法は次の通りです。
省エネ基準:一次エネルギー消費性能 BEI ≦ 1.0
BEI = 設計一次エネルギー消費量 ÷ 基準一次エネルギー消費量

標準一次エネルギー消費量は、行政に届けられた省エネ計画の中から標準的な設備仕様を抽出し、これに基づいて算出されています。

上記に記載したのはイメージを持っていただくための計算方法の概略です。実際に計算するためには建築物の基本情報や省エネ建材・設備の仕様・性能値等、様々な情報が必要となります。
慣れないと手間がかかる内容であり、間違えると書類の再提出を求められるなど、煩雑な業務でもありますので、もし省エネ計算が必要な場合は省エネ計算サポート会社に業務を依頼することをおすすめします。

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