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2023
12
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Nearly ZEB とは?補助金や特徴について詳しく解

Nearly ZEBとは?補助金や特徴について詳しく解説

 Nearly ZEB(ニアリーゼブ)は、持続可能な建築の新たな標準として注目を集めています。この記事では、Nearly ZEBの定義、特徴、そして利用可能な補助金などについて詳しく解説します。エネルギー効率の高い建築の実現を目指すNearly ZEBについて知りたい方はぜひ参考にしてください。

Nearly ZEB とは

 

Nearly ZEBは、建築物のエネルギー消費を大幅に削減し、その大部分を再生可能エネルギーで賄う建築概念です。完全なZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)に比べ、わずかに外部からのエネルギーを必要としますが、環境への影響を最小限に抑える設計が特徴です。

ZEBの種類

ZEBの種類は次の4種類があります。

  • ZEB
  • Nearly ZEB
  • ZEB ready
  • ZEB oriented

それぞれの条件は以下の通りです。

ZEB

年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物。

  • 基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減(再生可能エネルギーを除く)。
  • 基準一次エネルギー消費量から100%以上の削減(再生可能エネルギーを含む)。

Nearly ZEB

ZEBの基準までは満たないものの、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づける建築物。

  • 基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減(再生可能エネルギーを除く)。
  • 基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の削減(再生可能エネルギーを含む)。

ZEB ready

ZEBを見据えた先進建築物で、高断熱化された外皮と高効率な省エネルギー設備を備えている。

  • 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減に適合。

ZEB oriented

ZEB Readyを見据え、高性能化された外皮と高効率な省エネルギー設備に加え、さらなる省エネルギー措置を講じた建築物。

  • 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から定められた割合を削減(事務所等は40%以上、ホテル等は30%以上など)。

Nearly ZEBの特徴

 

Nearly ZEBの認定を受ける建築物には以下のような特徴があります。

  • 建築物の省エネ性能はZEBと同じ
  • 再生可能エネルギーの容量が限られる場合におすすめ

建築物の省エネ性能はZEBと同じ

Nearly ZEBの建築物は、ZEBと同様に高い省エネ性能を持っています。この性能は、高性能な断熱材や窓などにより断熱性能を上げることで実現します。熱が逃げにくい建築物にすることで、冷暖房に必要なエネルギーを抑えられるためです。また、エネルギー効率の良い照明、空調、給湯器、換気などの採用も重要です。これらの措置により、Nearly ZEBはZEBと同様の省エネ性能を達成しながら、快適な室内環境を実現しつつ運用コストを抑えられます。

再生可能エネルギーの容量が限られる場合におすすめ

Nearly ZEBは、再生可能エネルギーの容量が限られる場合におすすめです。ZEBは建築物が消費するエネルギーを全てその建築物で生成する必要があります。これには、建築物の消費エネルギーに合わせて、大容量の太陽光パネルや風力発電などの設置が必要です。しかし、すべての建築物がこれらの条件を満たせるわけではありません。例えば、都市部では建築物が密集しており、十分な太陽光パネルを設置するスペースがないことが多いです。また、予算の都合や建築上の理由で再生可能エネルギーの設置が制限されることもありえます。Nearly ZEBは、再生可能エネルギーの容量が限られた環境でも、環境への影響を最小限に抑えながら、エネルギー効率の高い建築を実現することが可能になります。

Nearly ZEBが受けられる補助金

 

Nearly ZEBは次の補助金を受けられます。(令和5年度時点)

  • レジリエンス強化型の新築建築物ZEB実証事業
  • 新築建築物のZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業
  • レジリエンス強化型の既存建築物ZEB実証事業
  • 既存建築物のZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業

これらの補助金は新築・既存ともに建築物のZEB化を促進し、2050年のカーボンニュートラル実現に貢献することを目的としています。また、災害時の活動拠点として機能する業務用施設に焦点を当て、エネルギー自立と感染症対策を備えたレジリエンス強化型ZEBの普及を目指しています。

各補助金の事業内容や補助対象は以下の通りです。

レジリエンス強化型の新築建築物ZEB実証事業

  • 事業内容:災害時に活動拠点となる公共性の高い業務用施設に対し、停電時でもエネルギー供給が可能なレジリエンス強化型ZEBへの支援。
  • 事業スキーム:間接補助事業として、2/3から1/2の補助率(上限5億円)を設定。地方公共団体や民間事業者が対象。実施期間は令和2年度から令和6年度。
  • 補助対象:10,000㎡までの施設に対しては「ZEB」が2/3、「Nearly ZEB」が3/5、「ZEB Ready」が1/2の補助率。10,000㎡以上の施設に対しては地方公共団体のみが対象で、補助率は同様。

新築建築物のZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業

  • 事業内容:新築ZEBの普及拡大のため、関連するシステムや設備機器の導入を支援。
  • 事業スキーム:補助率は3/5から1/3(上限5億円)。対象は地方公共団体および民間事業者。実施期間は平成31年度から令和6年度。
  • 補助対象:2,000m²未満:「ZEB」3/5、Nearly ZEB 1/2、ZEB Readyは対象外。2,000m²〜10,000m²:「ZEB」3/5、Nearly ZEB 1/2、ZEB Ready 1/3。10,000m²以上:地方公共団体のみ対象。補助率は「ZEB」3/5、Nearly ZEB 1/2、ZEB Ready 1/3、ZEB Oriented 1/3。

レジリエンス強化型の既存建築物ZEB実証事業

  • 事業内容:災害時に活動拠点となる公共性の高い業務用施設に対して、停電時でもエネルギー供給が可能なレジリエンス強化型ZEBへの支援。
  • 事業スキーム:補助率は2/3(上限5億円)。対象は地方公共団体および民間事業者。実施期間は令和2年度から令和6年度。
  • 補助対象:2,000m²未満:「ZEB」、「Nearly ZEB」、「ZEB Ready」すべてに2/3の補助率。2,000m²以上:地方公共団体のみ対象。補助率は「ZEB」、「Nearly ZEB」、「ZEB Ready」すべてに2/3。

既存建築物のZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業

  • 事業内容:既築ZEBに資するシステムや設備機器の導入を支援し、ZEBの更なる普及拡大を目指す。
  • 事業スキーム:間接補助事業として、補助率は2/3(上限5億円)。対象は地方公共団体および民間事業者。実施期間は令和2年度から令和6年度。
  • 補助対象:2,000m²未満:「ZEB」と「Nearly ZEB」に2/3の補助。ただし、「ZEB Ready」は補助対象外。2,000m²~10,000m²:地方公共団体のみ対象。補助率は「ZEB」、「Nearly ZEB」、「ZEB Ready」すべてに2/3。10,000m²以上:地方公共団体のみ対象。補助率は「ZEB」、「Nearly ZEB」、「ZEB Ready」、「ZEB Oriented」すべてに2/3。

Nearly ZEBとは?補助金や特徴について詳しく解説【まとめ】

 

Nearly ZEBは、省エネルギーと環境保護を目指す建築概念です。ZEBの種類、特徴、補助金の情報を理解することで、持続可能な社会への貢献と経済的利益の両立が可能になります。Nearly ZEBは、現代社会の省エネ化においてとても重要な役割を担っています。

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