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2022
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省エネルギー関連補助金まとめ(令和3年度分)

※この記事は令和3年度に実施された補助金制度を元に作成されております。

建築物の省エネ性能・環境性能向上を推し進めるために、政府は様々な補助金を実施しています。補助金ごとに対象や条件が様々あり、分かりづらさを感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、補助金を7つ取り上げ、複雑な内容を簡単にまとめて解説していきます。

補助金7選

7つの補助金を運営元の省庁別に下記に記載します。

<経産省>

  • ZEB実証事業
  • ZEH-M補助事業

<国交省>

  • 既存建築物省エネ化推進事業
  • サステナブル建築物等先導事業

<環境省>

  • 建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業(レジリエンス強化型ZEB実証事業)
  • 建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業(ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業)

ZEB実証事業_経産省

先進的な技術等の組合せによるZEBの実現を通じ、その運用実績の蓄積・公開・活用を図ることを目的に作られた事業です。

<基本情報>

        
対象 新築 10000㎡以上
既存 2000㎡以上
補助金 補助率 補助対象経費の2/3以内
上限 5億円/年
期間 受付開始 2021-05-17(令和3年度)
締切 2021-06-09(令和3年度)
実績 申請 19件(内、1件取り下げ)
決定 17件

<対象>

対象となる建物用途は次の通りです
事務所等、ホテル等、病院、物販店舗等、学校等、集会所等

対象外の建築物は次の通りです。

  • 地方公共団体の建築物(地方独立行政法人、公営企業を含む)
  • 業務用建築物(延べ面積2,000㎡未満の建築物、延べ面積2,000㎡以上10,000㎡未満の新築の建築物)
  • 複合ビル(地方公共団体と民間で同一建築物を区分所有する場合など)のうち、環境省が実施する事業の対象要件を全て満たした建築物

<申請要件>

  1. 建物用途及び地域によってZEBプランナー(※1)が関与していること
  2. 建築物全体の一次エネルギー消費量を50%以上削減していること
  3. 外皮性能はPAL*の基準に充足していること
  4. ZEB・Nearly ZEB・ZEB Readyいずれかの評価認証を取得していること
  5. 補助事業完了後1年間のエネルギー使用状況等、SII(※2)へ報告すること

※1
ZEBプランナーとは…SIIが登録・公表しているZEBの普及促進に関わる活動をしている事業者のことです。

※2
SIIとは…環境共創イニシアチブのことで、経産省より委託されたZEB実証事業の窓口のことです。

ZEH-M補助事業_経産省

外皮の断熱性能の大幅な向上と、高効率な設備・システムの導入により、室内環境の質を
維持しつつ大幅な省エネを図る取り組みを促進するための事業です。
ZEH-M補助事業は対象の建築物毎に「超高層ZEH-M実証事業」「中高層ZEH-M支援事業」「低層ZEH-M促進事業」と3つの支援事業に別けられます。
※ZEH-Mとはゼッチ・マンションの略

超高層ZEH-M実証事業

<基本情報>

        
対象 新築 住宅用途部分が21層以上のZEH-M
既存 対象外
補助金 補助率 補助対象経費の1/2以内
上限 3億円/年、10億円/事業※事業期間は最長5年
期間 受付開始 2021-06-01(令和3年度)
締切 2021-06-30(令和3年度)
実績 申請 4件
決定 4件

<申請要件のポイント>

  1. 集合住宅におけるZEHロードマップの「ZEH-Mの定義」を満たしていること。且つ、以下のⅰ~ⅲを満たしていること
    ⅰ. 住宅用途部分が21層以上(超高層ZEH-M)の集合住宅であること
    ⅱ. 住宅用途部分ZEH-M Oriented以上であること
    ⅲ.省エネ性能評価証を活用した営業広報を行うこと
  2. 補助事業者は以下のいずれかであること
    ⅰ. SIIに登録されているZEHデベロッパー(建築主)
    ⅱ. 個人または宅地建物取引業免許を有する不動産業以外の法人であり、ZEHデベロッパー(建築請負会社)に補助事業の発注を計画している建築主

中高層ZEH-M支援事業

<基本情報>

        
対象 新築 住宅用途部分が4層〜20層のZEH-M
既存 対象外
補助金 補助率 補助対象経費の1/3以内
上限 3億円/年、8億円/事業※事業期間は最長4年
期間 受付開始 2021-06-01(令和3年度)
締切 2021-06-30(令和3年度)
実績 申請 33件
決定 17件

<申請要件のポイント>

  1. 集合住宅におけるZEHロードマップの「ZEH-Mの定義」を満たしていること。且つ、以下のⅠ~Ⅲを満たしていること
    ⅰ. 住宅用途部分が4層以上20層以下(中高層ZEH-M)の集合住宅であること
    ⅱ. 住宅用途部分が4・5層の集合住宅はZEH-M Ready以上、6層以上の集合住宅はZEH-M Oriented以上であること
    ⅲ.省エネ性能評価証を活用した営業広報を行うこと
  2. 補助事業者は以下のいずれかであること
    ⅰ. SIIに登録されているZEHデベロッパー(建築主)
    ⅱ. 個人または宅地建物取引業免許を有する不動産業以外の法人であり、ZEHデベロッパー(建築請負会社)に補助事業の発注を計画している建築主

低層ZEH-M促進事業

<基本情報>

          
対象 新築 住宅用途部分が1層〜3層のZEH-M
既存 対象外
補助金 補助率 40万円/戸
上限 3億円/年、6億円/事業※事業期間は最長3年
期間 受付開始 1次:2021-05-13(令和3年度)
2次:2021-10-09(令和3年度)
締切 1次:2021-09-09(令和3年度)
2次:2021-12-09(令和3年度)
実績 申請 236件
決定 230件

<申請要件のポイント>

  1. 集合住宅におけるZEHロードマップの「ZEH-Mの定義」を満たしていること。且つ、以下のⅰ~ⅱを満たしていること
    ⅰ. 住宅用途部分が3層以下であること
    ⅱ. 省エネ性能評価証を活用した営業広報を行うこと
  2. 補助事業者は以下のいずれかであること
    ⅰ. SIIに登録されているZEHデベロッパー(建築主)
    ⅱ. 個人または宅地建物取引業免許を有する不動産業以外の法人であり、ZEHデベロッパー(建築請負会社)に補助事業の発注を計画している建築主
    ⅲ.不動産を業とする法人でZEHデベロッパー(建築請負会社)に補助事業の発注を計画している建築主(本事業への累積申請住戸数が25戸以下であるもの)

既存建築物省エネ化推進事業(省エネルギー性能の診断・表示に対する支援)_国交省

既存住宅・建築物ストックの省エネ化の推進及び省エネルギー性能の表示に対する取り組みの活性化を図ることを目的に作られた事業です。

<基本情報>

        
対象 新築 対象外
既存 300㎡以上の既存住宅、建築物
補助金 補助率 1/3(特に波及効果の高いものは定額)※
上限 なし
期間 受付開始 2021-04-19(令和3年度)
締切 2021-09-30(令和3年度)
実績 申請 発表なし
決定 19件

※波及効果の高いものとは
国交省が発表している波及効果の高い取り組みの例を次に挙げます

下記のような取組みを一体的に行う場合

  • 企業の環境行動計画への位置付け
  • 広告チラシやフロアマップに表示を掲載
  • 建物エントランスの目立つ場所にプレートを表示
  • 環境教育の取り組みと連携して表示を活用(エコストアガイドマップの作成と表示、エコストア探検ツアー等) 等

<申請要件のポイント>

  1. 改修を伴わない場合における300㎡以上の既存住宅・建築物における省エネ性能の診断・表示であること
    ⅰ. 「省エネ性能の診断」については、エネルギー使用量の実績値の算出ではなく、設計図書等を基にした、設計一次エネルギー消費量の計算とする。
    ⅱ. 「表示」については、建築物省エネ法に基づく第三者認証等とする。(基準適合認定表示、BELS等)

<補助対象となる費用>

  1. 設計一次エネルギー消費量、BEI等の計算に要する費用
  2. 基準適合認定表示、BELS等の第三者認証取得に必要な申請手数料
  3. 表示のプレート代など

サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)_国交省

省エネ・省CO2に係る先導的な技術の普及啓発に寄与する住宅・建築物のリーディングプロジェクトに対して、国が予算の範囲内で支援。またこれにより、関係主体が事業の成果等を広く公表し、取り組みの広がりや意識啓発に寄与することを図ることを目的に作られた事業です。

<基本情報>

        
対象 新築 住宅、非住宅の新築及び既存の改修。また省CO2
のマネジメントシステムの整備や関連技術の検証などを対象
既存
補助金 補助率 1/2
上限 5億円(住宅は125万円)
期間 受付開始 2021-04-19(令和3年度)
締切 2021-05-31(令和3年度)
実績 申請 70件
決定 68件

<申請要件のポイント>
次に挙げる事業ごとに細かく定められているので注意が必要です。
詳細は国交省より発表される募集要綱をご確認下さい。

  1. 地方公共団体、民間事業者等が行うもので、材料、設備、設計、運用システム等において、CO2の削減、健康・介護、災害時の継続性、少子化対策、防犯対策、建物の長寿命化等に寄与する IoT をはじめとした先導的な技術が導入される建築物
  2. 地方公共団体、民間事業者等が行うもので、所定の要件を満たす木造建築物等の整備を行う事業
  3. 地方公共団体、民間事業者等が行うもので、所定の要件を満たす木造実験棟の整備(既存施設の改修を含む)を行う事業
  4. 民間事業者等が行うもので、所定の要件を満たす住宅の整備を行う事業

地域型住宅グリーン化事業_国交省

地域における木造住宅の生産体制の強化、環境負荷の低減等を図るため、地域の木材関連事業者、流通事業者、建築士事務所、中小工務店等が連携して取り組む、省エネルギー性能や耐久性等に優れた木造住宅・建築物の整備を支援する目的で作られた事業です。

<基本情報>

        
対象 新築 新築及び改修
※地域木材を利用した木造住宅限定
既存
補助金 補助率 なし
上限 長寿命型:110万円/戸 等
高度省エネ型:70万円/戸
ゼロ•エネルギー住宅型:140万円/戸 等
省エネ改修型:50万円/戸
優良建築物型:1万円/㎡
期間 受付開始 2021-04-01(令和3年度)
締切 2021-05-10(令和3年度)
実績 申請 発表なし
決定 681件

<申請要件のポイント>
次に挙げる5種類の型毎に申請要件が変わります。

  • 長寿命型:長期優良住宅・木造・新築
  • ゼロ・エネルギー住宅型:ゼロ・エネルギー住宅・木造・新築又は改修
  • 高度省エネ型:認定低炭素住宅又は性能向上計画認定住宅・木造・新築
  • 省エネ改修型:省エネ基準(既存)を満たす住宅・木造・改修
  • 優良建築物型:認定低炭素建築物等一定の良質な建築物(非住宅)・木造・新築

建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業(レジリエンス強化型ZEB実証事業)_環境省

再生可能エネルギー設備及び高効率設備機器等の導入によりZEBを達成し、平時の脱炭素化に加えて、蓄電システム等被災時にも必要なエネルギーを供給できる機能を強化した、レジリエンス機能の高い建築物の整備・普及を図ることを目的として作られた事業です。

<基本情報>

        
対象 新築 新築及び既存
•地方公共団体等の所有する建築物等
•上記以外のものが所有する業務用建築物等

※新築:10,000㎡未満
※既存:2,000㎡未満
既存
補助金 補助率 1/2〜2/3
上限 3億円〜5億円
期間 受付開始 2021-06-03(令和3年度)
締切 2021-07-26(令和3年度)
実績 申請 発表なし
決定 発表なし

<対象>
対象となる建物用途は次の通りです。
事務所等/ホテル等/病院等/物品販売業を営む店舗等/学校等/飲食店等/集会所等/体育館等/映画館等

<申請要件のポイント>
ZEB Ready 以上(設計時において基準一次エネルギー消費量から50%以上削減)となる建築物が対象となります。

建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業(ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業)_環境省

ZEBの実現に必要となる省エネ、省CO2性の高いシステム・設備機器等の導入にかかる費用の一部を支援することで、業務用建築物におけるZEBの実現達成という政策の推進及びその普及を目的として作られた事業です

<基本情報>

        
対象 新築 新築及び既存
•地方公共団体等の所有する建築物等
•上記以外のものが所有する業務用建築物等

※新築:10,000㎡未満
※既存:2,000㎡未満
既存
補助金 補助率 1/2〜2/3
上限 3億円〜5億円
期間 受付開始 2021-06-03(令和3年度)
締切 2021-07-26(令和3年度)
実績 申請 発表なし
決定 発表なし

<対象>
事務所等/ホテル等/病院等/物品販売業を営む店舗等/学校等/飲食店等/集会所等/体育館等/映画館等

<申請要件のポイント>
ZEB Oriented(設計時において基準一次エネルギー消費量から40%以上削減※ホテル等、病院等、百貨店等、飲食店等、集会所等は30%以上削減)以上となる建築物が対象となります。

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