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2023
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省エネ適合性判定の必要書類は?手続きの流れや注意点も解説

省エネ適合性判定の必要書類は?手続きの流れや注意点も解説!

省エネ適合性判定は、建築物が省エネルギー基準に適合しているかを評価する制度です。この判定を受けるには、多くの書類が必要とされます。この記事では、必要書類とその手続きの流れ、さらには注意点について詳しく解説します。省エネ適合性判定を受けようとしている方はぜひ最後まで読んで参考にしてください。

省エネ適合性判定の必要書類

省エネ適合性判定を受けるために必要な書類を以下にまとめます。


提出書類

内容

1

省エネ計画書

計画変更の場合は変更計画書、計画通知の場合は通知書、または変更通知書が必要

2

設計図書

設計内容説明書、各種図面、仕様書、各種計算書、機器表、系統図、設備図、制御図など

3

委任状兼同意書

建築主以外が手続きを行う場合に必要

4

連絡票

連絡先や書類送付先を記した書面

この中でも、2.設計図書にはたくさんの種類があります。以下にて詳しく解説します。

添付図書の内容

添付図書の内容は、大きく2種類のパターンに分かれます。

  • 300㎡未満の住宅、300㎡以上の住宅の非住宅部分
  • 300㎡以上の住宅の住宅部分

それぞれ、必要な設計図書と内容が異なります。

300㎡未満の住宅、300㎡以上の住宅の非住宅部分

300㎡未満の住宅、または300㎡以上の住宅の非住宅部分について必要な設計図書は以下の16種類です。

  1. 設計内容説明書:建築物が省エネ基準に適合していることの説明
  2. 付近見取図:方位、道路、目標となる地物
  3. 配置図:縮尺、方位、敷地境界線、敷地内における建築物の位置、申請建築物と他の建築物との別、空気調和設備の位置、建築設備の位置
  4. 仕様書:部材の種別、寸法、エネルギー消費性能確保設備の種別
  5. 各階平面図:縮尺、方位、間取り、各室の名称、用途、寸法、天井の高さ、壁の位置・種類、開口部の位置・構造、エネルギー消費性能確保設備の位置
  6. 床面積求積図:床面積の求積に必要な建築物の各部分の寸法・算式
  7. 用途別床面積表:用途別の床面積
  8. 立面図:縮尺、外壁・開口部の位置、エネルギー消費性能確保設備の位置
  9. 断面図・矩計図:縮尺、建築物の高さ、外壁・屋根の構造、軒の高さ、軒・ひさしの出、小屋裏の構造、各階の天井の高さ・構造、床の高さ・構造、床下・基礎の構造
  10. 各部詳細図:縮尺、外壁、開口部、床、屋根、その他断熱性を有する部分の材料の種別・寸法
  11. 各種計算書:建築物のエネルギー消費性能に係る計算の内容
  12. 機器表 
  1. 空気調和設備:熱源機、ポンプ、空気調和機、その他の機器の種別・仕様・数
  2. 空気調和設備以外の機械換気設備:給気機、排気機、その他設備の種別・仕様・数
  3. 照明設備:照明設備の種別・仕様・数
  4. 給湯設備:給湯器の種別・仕様・数、太陽熱を給湯に利用するための設備の種別・仕様・数、節湯器具の種別・数
  5. 空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備:空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備の種別・仕様・数
  1. 仕様書

昇降機:昇降機の種別、数、積載量、定格速度及び速度制御方法

  1. 系統図
  1. 空気調和設備:空気調和設備の位置・連結先
  2. 空気調和設備以外の機械換気設備:空気調和設備以外の機械換気設備の位置・連結先
  3. 給湯設備:給湯設備の位置・連結先
  4. 空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備:空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備の位置・連結先
  1. 各階平面図
  1. 空気調和設備:縮尺、空気調和設備の有効範囲、熱源機、ポンプ、空気調和機、その他の機器の位置
  2. 空気調和設備以外の機械換気設備:縮尺、給気機、排気機、その他これらに類する設備の位置
  3. 照明設備:縮尺、照明設備の位置
  4. 給湯設備:縮尺、給湯設備の位置、配管に講じた保温のための措置、節湯器具の位置
  5. 昇降機:縮尺、位置
  6. 空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備:縮尺、位置
  1. 制御図
  1. 空気調和設備:空気調和設備の制御方法
  2. 空気調和設備以外の機械換気設備:空気調和設備以外の機械換気設備の制御方法
  3. 照明設備:照明設備の制御方法
  4. 給湯設備:給湯設備の制御方法
  5. 空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備:空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備の制御方法

300㎡以上の住宅の住宅部分

300㎡以上の住宅の住宅部分に必要な設計図書は次の12種類です。内容は、非住宅の場合と若干異なります。

  1. 設計内容説明書:住宅部分のエネルギー消費性能の説明
  2. 付近見取図:方位、道路、目標となる地物
  3. 配置図:縮尺、方位、敷地境界線、敷地内における建築物の位置、申請建築物と他の建築物との別、空気調和設備の位置、建築設備の位置
  4. 仕様書:部材の種別、寸法、エネルギー消費性能確保設備の種別
  5. 各階平面図:縮尺、方位、間取り、各室の名称、用途、寸法、天井の高さ、壁の位置・種類、開口部の位置・構造、エネルギー消費性能確保設備の位置
  6. 床面積求積図:床面積の求積に必要な建築物の各部分の寸法・算式
  7. 用途別床面積表:用途別の床面積
  8. 立面図:縮尺、外壁・開口部の位置、エネルギー消費性能確保設備の位置
  9. 断面図・矩計図:縮尺、建築物の高さ、外壁・屋根の構造、軒の高さ、軒・ひさしの出、小屋裏の構造、各階の天井の高さ・構造、床の高さ・構造、床下・基礎の構造
  10. 各部詳細図:縮尺、外壁、開口部、床、屋根、その他断熱性を有する部分の材料の種別・寸法
  11. 各種計算書:住宅のエネルギー消費性能に係る計算の内容
  12. 機器表 
  1. 空気調和設備:空気調和設備の種別・仕様・数
  2. 空気調和設備以外の機械換気設備:空気調和設備以外の機械換気設備の種別・位置・仕様・数・制御方法
  3. 照明設備:照明設備の種別・仕様・数・制御方法
  4. 給湯設備:給湯器の種別・仕様・数・制御方法、太陽熱を給湯に利用するための設備の種別・仕様・数・制御方法、節湯器具の種別・数
  5. 空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備:空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備の種別・仕様・数・制御方法

省エネ適合性判定の内容

省エネ適合性判定は、2017年に施行された建築物省エネ法に基づく手続きです。この法律は2021年に法改正がなされ、適用範囲拡大とともに省エネ適合性判定も注目を集めています。建築主は新築・増改築前に省エネ計画を作成し、評価機関に提出する必要があります。適合判定を受け、省エネ基準に合致した場合のみ、建築確認済証や検査済証が交付されます。

省エネ適合性判定では「一次エネルギー消費量」の基準を評価します。一次エネルギー消費量は、建物内の「空調」「機械換気」「照明」「給湯」「昇降機」のエネルギー使用量を合計で評価します。設計段階では、この消費量が標準より低くなるようにする必要があります。非住宅用途部では外皮性能基準は適用されませんが、一次エネルギー消費量の計算には外皮性能を考慮する必要があります。

一次エネルギー消費量とは

一次エネルギー消費量とは、エネルギーが最初に生成や採取された段階での消費量です。つまり、使用された電気やガスではなく、その電気やガスをつくるための石油、石炭、天然ガスなどのエネルギー源の消費量を示します。

一次エネルギー消費量を計算することで、環境負荷を正確に把握できます。エネルギーの生成から最終的な使用までの全体像が見えるためです。また、さまざまなエネルギー形態(電気、熱など)を共通の基準で比較でき、効率的なエネルギー政策や技術の導入を検討する際に役立ちます。

手続きの流れ

省エネ適合性判定の流れを、建築確認申請と合わせて解説します。これらの手続きは5つのステップで進行します。

  1. 建築確認申請
  2. 省エネ適合性判定資料提出
  3. 省エネ適合判定通知書の交付
  4. 省エネ適合判定通知書等の提出
  5. 確認済証の交付

建築確認申請

まず、建築主が確認検査機関や所管行政庁に建築確認申請をします。この時点では省エネ適合性判定資料はまだ必要ありません。

省エネ適合性判定資料提出

次に、省エネ適合性判定に必要な資料を同機関に提出して、審査を依頼します。

省エネ適合判定通知書の交付

審査が終わると、建築主に「省エネ適合判定通知書」が交付されます。

省エネ適合判定通知書等の提出

この通知書を元に、再び確認検査機関に確認済証の発行を依頼できます。

確認済証の交付

最終的に確認済証が建築主に交付されます。

省エネ適合性判定の注意点

省エネ適合性判定は自身でも行えますが、代行会社に依頼することもできます。その際、以下二つが注意点です。

  • 省エネ計算はWEBプログラムがおすすめ
  • 代行会社に依頼すると手間を削減できる

省エネ計算はWEBプログラムがおすすめ

省エネ計算を自身で行う場合の計算ソフトはたくさんありますが、その中でもおすすめなのが、「WEBプログラム」です。WEBプログラムには次のようなメリットがあります。

  • 無料で利用できる
  • 建築研究所と国土交通省が開発協力しているので信憑性が高い
  • インストールや設定不要でWebページから直接利用できる
  • 制度の更新にリアルタイムで対応している

計算ソフトは便利なものもたくさんありますが、有料であったり、会員登録が必要であったりするケースが目立ちます。その点WEBプログラムは無料で信憑性が高く、使い勝手が良いという特徴があります。

代行会社に依頼すると手間を削減できる

代行会社に依頼すると手間を削減できます。代行会社は、面倒な書類の準備や申請書類の作成をスムーズに行うからです。自身で省エネ計算をするためには、専門的な知識や経験が必要です。また、手続きの複雑さや書類のミスは、審査に不利な影響を及ぼすこともあります。代行会社に依頼することで、これらのリスクを低減し、効率的に業務を進められます。

省エネ適合性判定の必要書類は?手続きの流れや注意点も解説!【まとめ】

省エネ適合性判定は、エネルギー効率と持続可能性を高めるためにとても重要です。この手続きには大きな手間がかかるため、必要書類や手続きの流れを把握しておきましょう。また、代行会社に依頼することで、確実な判定結果と時間の効率化が期待できます。省エネ適合性判定をスムーズに行うことで、省エネ効果の高い建築物を増やせるようになります。

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