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2023
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ZEBプランナーとは?ZEBを実現する事業制度を解説

ZEBプランナーとは?ZEBを実現する事業制度を解説

 

ZEBへの道のりは、多くのビルオーナーにとって複雑かつ重要な課題です。目指すはエネルギーの自給自足。しかし、どのように進めればいいのか?という疑問が常についてきます。そこで頼りになるのがZEBプランナーです。

この記事では、ZEBプランナーの役割と、彼らに相談することで得られるメリットを解説します。建築物のエネルギー効率を高め、コストを節約しながら、環境にも優しいビルを建てたい方はぜひ参考にして下さい。

ZEBプランナーとは

 

ZEBプランナーは、省エネ建築の専門家です。「ZEB設計ガイドライン」や「ZEBや省エネ建築物の技術知識」を駆使し、ビルオーナーの相談に乗ります。建築設計、設備設計、省エネ設計など、そのサポートは多岐に渡ります。ZEBプランナーは、より効率的かつ環境に優しい建築を実現するための手引きとなり、持続可能な社会への貢献を目指しています。

ZEBの実現には複雑な手続きが必要

ZEBは、年間の一次エネルギー収支ゼロを目指す建築物です。快適な室内環境を保ちながらエネルギー消費を抑えることが鍵となります。そのために必要な手続きや計算はとても複雑で、計画から段階的に進める必要があります。ZEBプランナーの介入により、計画はよりスムーズかつ効率的に進行できます。

ZEBプランナーの役割

ZEBプランナーは、ZEBの実現における重要な役割を担います。

  • ZEBの相談窓口
  • 設備省エネコンサル
  • 補助金申請代行

これらはどれも、ビルオーナーがZEB化をスムーズに進めるために不可欠な要素です。効率的なエネルギー管理から資金面のサポートまで、幅広いニーズに応えるZEBプランナーの役割を解説します。

ZEBの相談窓口

ZEBプランナーはZEBの相談窓口として機能します。これらの専門家は、ZEBに関する疑問に答え、具体的な事例や情報を提供することで広報活動に貢献しています。建築設計の初期段階での設備や技術の適用に関するサポートも重要です。ZEBの内容は複雑で専門的なため、ビルオーナーにとって分かりにくい情報を明確にします。初期段階の相談はZEBの普及と実現の第一歩であり、ZEBプランナーの大きな役割です。

設備省エネコンサル

ZEBプランナーは建築主の要望に応じて、省エネに特化した設計や設備のコンサルティングを行います。建築設計や設備設計を含むZEBプランニングに関わる業務を請け負い、計画や現状に合わせた省エネ計画を提案します。省エネ設備以外にも、断熱やサッシの設計についても最適案の提案が必要です。ZEBプランナーは、建築物全体のエネルギー効率を高め、ZEB実現に不可欠な役割を果たします。

ZEBプランニング業務の公表

ZEBプランナーは、関与する省エネ建築物のプランニング業務を公開します。この公開は、自社のウェブサイト上での「実績」と「今後の取り組み計画」の掲載を通じて行われます。さらに、会社概要や消費者からの要望に応じた書類などを通して、その情報を明確に示します。この透明性により、ZEBプランナーは、自社の能力と貢献を公然と示し、省エネ建築への取り組みにおける信頼と認識を高めます。

ZEBプランナーの概要

ZEBプランナーについてもう少し深掘りしていきましょう。この章では、実際にZEBプランナーになるために必要な登録、公募、その後に必要な実績報告について解説します。

ZEBプランナーの登録

ZEBプランナーの登録に関する要点は以下の通りです。(参考資料:SII 令和5年度ZEB実証事業|ZEBプランナー登録(フェーズ2)公募要領

  • 登録対象:設計(建築設計、設備設計等)、設計施工、コンサルティング等を行う法人。
  • 登録要件:
  1. ZEB相談窓口の設置。
  2. ZEBプランニング受注の取り組み計画。
  3. 省エネ建築物(BEI 0.9以下相当)のプランニング実績。
  4. 実績の自社ウェブサイト等での公表。
  5. 年度ごとのZEBプランニング実績の報告。
  6. 経済産業省のアンケート調査への協力。
  7. 日本国内の法人登記。
  8. 暴力団排除に関する基準の遵守。
  9. 経済産業省の補助金交付等の指名停止措置を受けていないこと。
  • 登録単位:1法人につき1登録。ただし、複数のグループ会社や相談窓口のまとめての登録も可。
  • ZEBプランナーの種別:
  1. 設計(建築設計、設備設計等)。
  2. 設計施工(設計業務と工事の一括受注)。
  3. コンサルティング等(ZEBや省エネ建築物の実現に関する業務)。

ZEBプランナーの公募

ZEBプランナーの公募要領は次の通りです。

  • 公募期間:令和5年度の公募期間は2023年4月10日(月)〜2024年1月26日(金)17:00です。事業年度ごとの公募期間があります。SIIのホームページにて、都度確認が必要です。
  • アカウント取得:SIIのホームページからのアカウント取得申込を行います。令和5年度のアカウント取得申込期間:2023年4月10日(月)〜2024年1月24日(水)13:00です。取得期間は事業年度ごとに異なるため、都度確認が必要です。
  • 登録申請:アカウント情報を利用して、必要事項を入力します。添付書類(会社概要書、商業登録簿、各種許可証・登録証の写し、その他SIIが求める確認書類)をポータルサイトにアップロードします。
  • 内容の確認:SIIは公募期間中に届いた申請内容を確認し、必要に応じて追加の確認や修正を依頼します。
  • 登録証の交付・公表:適正と認められた申請者にZEBプランナー登録証を交付。ZEBプランナーはSIIホームページで公表されます。

ZEBプランナーの実績報告

ZEBプランナーは、登録後の活動実績を翌年度の4月にSIIに報告することが求められます。この報告で必要なのは以下の2点です。

  • 前年度のZEBプランニングの受注実績(件数や建築物用途、規模、BEIなどの詳細)
  • 受注に向けた取り組み内容や活動実績

さらに、ZEBプランナーはこれらの「ZEB以上の省エネ建築物のZEBプランニング受注実績」を自社のホームページ等で公表し、容易にアクセスできる工夫が必要です。政府は、これらの登録情報や報告された内容からZEBの普及状況を確認し、公表する目的や、今後のZEB普及施策の実施や検討に使用します。

ZEBプランナーに相談するメリット

ZEBプランナーの専門性とサービスの価値を詳しく紹介します。具体的なメリットは以下の通りです。

  • 専門的な知識とサポート
  • コスト効率の良い設計
  • エネルギー効率の向上

ZEBプランナーとの協力が、省エネ建築にどのように影響するかを解説します。

専門的な知識とサポート

ZEBプランナーに相談すると、専門的な知識とサポートが得られます。ZEBプランナーは、ZEBに関する深い知識と経験から、建築設計からエネルギー効率の向上に至るまで幅広いサポートを行うからです。

ZEBプランナーは毎年SIIへ実績報告を行い、自社のウェブサイトでの実績公表も義務付けられています。これにより、彼らは常に最新の省エネ設計や施工に関する知見を更新し続けています。そうすることで、エネルギー消費を最小限に抑える設計の提案や、再生可能エネルギーソリューションの導入を主導できます。

ZEBプランナーは専門知識と実践的なサポートを通じて、持続可能な建築の実現に貢献しています。

コスト効率の良い設計

ZEBプランナーに相談すると、コスト効率の良い設計ができます。このメリットの根底にあるのは、省エネ技術に関する専門知識です。この知識により、初期投資と運用コストの低減を実現する設計が可能になるのです。

事例として、ダウンサイジングが挙げられます。これは、機械を小型化する手法で、既存建築物のZEB化でよく用いられます。昔の建築物は断熱性能が低かったため、大きな容量の空調で温熱環境を維持していました。しかし、これは非効率でエネルギーロスが大きいものでした。省エネ化に詳しいZEBプランナーは、空調などの過剰な容量の設備を改修し、効率的な設備の選定を提案します。そうすることで、長期的にコストを削減する設計を実現します。

このように、ZEBプランナーとの協力は、持続可能で経済的な建築設計に不可欠な要素です。

エネルギー効率の向上

ZEBプランナーの相談することのメリットとして、エネルギー効率向上があげられます。専門知識を駆使することで、建築物に最適な高効率の設計が実現し、長期的なコスト削減と環境負荷軽減が期待できます。

具体例として、北海道網走郡美幌町役場新庁舎が挙げられます。ここでは、地中熱ヒートポンプやエコボイドなどの自然エネルギーの活用がなされています。寒冷地である北海道において、自然エネルギー利用は特に効果的です。

高断熱化と地域気候を考慮した設計でZEB化を実現すると、エネルギー効率を飛躍的に高められます。

ZEBプランナーとは?ZEBを実現する事業制度を解説【まとめ】

 

この記事では、ZEBプランナーの重要性を詳しく説明しました。ZEB実現に必要な手続きのサポートや省エネのコンサルなど、ZEBプランナーの役割は多岐にわたります。事業者はZEBプランナーに相談することでたくさんのメリットを得られます。ZEB化を目指す方は積極的に検討しましょう。

ZEBプランナーの存在は、環境負荷の低減とエネルギー効率の向上に不可欠です。

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